差額を払うとき(保険外併用療養費)

当共済組合の短期給付では、保険診療の枠からはみ出した医療を受ける場合は、保険による医療を受ける権利を放棄したものとみなされ、すべての医療費が自己負担になるのが原則です。
しかし、保険外診療を受ける場合でも、厚生労働大臣の定める「評価療養」と「選定療養」については保険診療との併用が認められており、通常の治療と共通する部分(診療・検査・投薬・入院料等)の費用は一般の保険診療と同様に扱われ、組合員は、保険診療部分は一部負担金、保険外診療部分については、全額を支払うこととなり、残りの額は「保険外併用療養費」として当共済組合から医療機関等に給付が行われます。「保険外併用療養費」に該当するケースには次のようなものがあります。

歯科治療の一部

保険診療で認められていない材料を使用したり、治療を行った場合は、自由診療となり、すべて自費払いとなりますが、前歯の鋳造歯冠修復や金属床総義歯などに限っては、保険診療で認められている範囲との差額を自己負担すればよいことになっています。

先進医療を受けたとき

大学病院や特定機能病院などで、保険診療の対象となっていない先進的な医療を受けた場合、その医療以外の基礎的な部分(入院料や薬代など)に保険が適用されます。保険診療の対象となっていない部分は、差額分として自己負担します。先進的な医療でもまだこの制度の対象になっていないものもあるので、注意が必要です。

入院の際の室料

イラスト

保険診療の対象となる入院は、一般室に入ることになっていますが、希望すれば個室などの特別室にも入れます。その場合には、保険診療で定めた入院室料との差額(差額ベッド)を自己負担することになります。
ただし、医療機関側の都合で特別室に入れられた場合や、治療上の必要性から集中治療室に入った場合は差額を負担しなくてもよいことになっています。

紹介状なしで大病院を受診したとき

特別料金が加算され、その部分が自己負担になります。
紹介状なしで大病院を受診したとき、選定療養費の義務化により、原則として患者に一定額の支払いが求められます。

180日以上の入院

入院の必要が低いにもかかわらず、患者側の事情により入院を続ける場合は、入院基本料等の85%のみを保険診療の対象とし、差額は自己負担します。

時間外に診療を受けたとき

時間外診療を受けたときは、割増料金が自己負担になります。

予約診療を受けたとき

予約診療制が認可されている医療機関で予約診療を受けたときは、予約料を自己負担します。

後発医薬品のある先発医薬品(長期収蔵品)の選定療養

後発医薬品(ジェネリック医薬品)がある先発医薬品(長期収蔵品)の処方を希望する場合、医薬品によっては、それらの薬価の差額の4分の1相当が自己負担に加算されます。

「評価療養」と「選定療養」

「保険外併用療養費」として保険診療が認められるものは、厚生労働大臣が適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要なものを「評価療養」として、特別の病室の提供など組合員の選定に係るものを「選定療養」として定めており、次のとおりとなっています。詳細は担当の医師や医療機関へお問い合わせください。

保険外併用療養費制度について」(厚生労働省ホームページ)

評価療養

  1. 先進医療
  2. 医薬品の治験に係る診療
  3. 医療機器の治験に係る診療
  4. 薬価基準収載前の承認医薬品の投与
  5. 保険適用前の承認医療機器の使用
  6. 薬価基準に収載されている医薬品の適応外使用

選定療養

  1. 特別の療養環境の提供(差額ベッド)
  2. 予約診療
  3. 時間外診療
  4. 200床以上の医療機関の未紹介患者の初診
  5. 200床以上の医療機関の再診
  6. 制限回数を超える医療行為
  7. 180日以上の入院
  8. 歯科の金合金等
  9. 金属床総義歯
  10. 小児う蝕の治療後の継続管理
  11. 水晶体再建に使用する多焦点眼内レンズ
  12. 保険適用期間終了後のプログラム医療機器
  13. 間歇スキャン式持続血糖測定器
  14. 精子の凍結及び融解
  15. 後発医薬品のある先発医薬品(長期収蔵品)

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